キャッチコピー
神に問いたい。あなたと出会ったことが、そもそもの罪であったのだろうか
神に問いたい。あなたと出会ったことが、そもそもの罪であったのだろうか
かつて幸せだったはずの家族は生き別れになった。
富豪の義娘になり鉱山開発を行う妹を、近くの貧民街で身元を明かせないまま見守る日々に、終焉が訪れる。
痩せた男は彼女にもう近づくなといった。失意のままロドリゲスは旅に出る。そこで、新興宗教を布教しているという青年バナージに出会った。
神の教えに救済を感じながら、ロドリゲスは神に対する背徳を犯していた。それは宗教が断罪する禁忌の愛……肉親である妹への恋慕の情であった。
内心に隠した原罪は彼を苦しめ、彼は彼自身を巡る教団対反教団の戦いに飲み込まれていく。そして、決戦は訪れる。
新興宗教の教祖は、神の禁ずる不貞の末に生まれた異父兄弟の存在を知った。
ロドリゲスは、自分を殺したがる人物の悪意を感じた。
血の繋がった二人は、殺し合うべきして殺し合うのか。この戦いは、必然だったのか。
現代の一神教を巡る問題も鋭く掘り下げた問題作、ここに完結。
――それは救いか、あるいは絶望のはじまりか
長編
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